お客様の声:タンポポイン 様

米沢市のペンション、タンポポインの大和峰子氏に、ハンズバリューのコンサルティングを活用した経緯とその評価について詳しく聞きました。

(タンポポインについて)

タンポポインは米沢スキー場内のペンション村「キラキラ王国」にあるペンションのひとつです。宿の特色は「ペット連れの宿泊客が気兼ねなく楽しく泊まれる」こと。ペンション内には広さ399m2の大きなドッグランも備わっています。開業は1984年、部屋数は実質4部屋。現在、大和様が一人できりもりしています。

参考情報: タンポポインの立地についての島田の見解

誠に恐縮ですが、タンポポインがある米沢スキー場の周辺は、今や、観光地としては非常に厳しい立地です。

20数年前のスキーブームの時期には、米沢スキー場も活況を呈し、その宿泊の受け皿であるペンション村も非常に賑わったようですが、今はブームは去りました。もはや米沢スキー場は「それにぶらさがっていれば安泰」といえるような、頼りになる観光資源ではありません。

この立地の観光資源は強いていいえば「米沢牛」です。しかし、米沢牛はその界隈の旅館ならどこでも食べられるので、タンポポインならではの集客力にはなりません。

また、ペンションという業態(名称)自体、昭和の頃ならともかく、平成25年の今となっては、やや時代遅れの感もあります。実際、このペンション村の24軒のうち、営業しているのは半分以下の10軒だけ。残り14軒は廃業しており、中には、豪雪に耐えきれず半倒壊、そのまま廃屋化した建物さえあります。こうした場所にカップルや家族連れが喜んでやってくることは考えにくいでしょう。

こうした条件の厳しい立地では、「宿それ自体が観光資源になる」ほかはありません。それが今回、「ペット連れ宿泊客向けペンション」というコンセプトを打ち出した大きな理由です。

すでに廃業し、草の中に 埋もれている山荘

■ ハンズバリュー(島田)に集客支援を依頼

― タンポポインではハンズバリューをどう活用していますか。

ハンズバリュー(島田さん)には、タンポポインに「お客様を集める活動のすべて」をお願いしています。

特にホームページの部分は、島田さんに全部おまかせしています。それ以外の部分は、島田さんにアイディアを出してもらって、実行は私です。

島田さんは「タンポポインの良さを、全国のお客様に『伝える』のが自分の役目だ」といいます。

それをやってくれると助かります。私は自分のことを宣伝して人に伝えるのが苦手なんです。それって「私はすごいわよ」と豪語することに思えて、気恥ずかしいやら、こそばゆくいやら。自分じゃとてもできません。

でも伝えないことには、新しいお客様は来ませんしね。

タンポポインのホームページ

■ 今年は売上げが大復活

― 最近の集客状況はいかがですか。

おかげさまで今年、平成25年はここ20年間で最高です。数字は久々の「大台」に載れそうです。長いトンネルを脱けて、ついに復活できました。

思えばスキーブームの頃はお客様もたくさん来て、このペンション村も全体が好調でした。でもブームが去ってからは、タンポポインは毎年が前年割れ。一時は年商500万円まで低迷しました。

その頃は、運転免許の合宿の集団宿泊を受け入れて食いつないでいました。団体客が来るのなら良いじゃないかって? 。うーん、合宿免許の団体宿泊って、すごーく大変で、なのに単価が安いんですよ。わたし一人で20人からの食事やお風呂のお世話をして、朝から晩まで働きづめ。だけど単価はそこそこで、そこから食材やらリネンやらの経費を支払うと、手元にお金はほとんど残りません…。

これじゃいけない、何とか新規のお客さんを集めないといけない。一頃は、山形県の呼びかけに反応して、中国語のホームページを作ったりもしました。海外からお客さんが呼べないかな、と。でも、ぜんぜん反響無し。

加えて2011年には東日本大震災が起きて、ゴールデンウイークの予約が全滅。数少ない呼び物だった米沢牛も風評被害に苦しめられましたし。あの頃は弱り目に祟り目でした…。

そんなタンポポインが、「この20年で売上げ最高」というところまで復活できたのは、ひとえに島田さんのおかげ。「タンポポインを『ペット大歓迎の宿』という路線でアピールしましょう」と提案してくださったからです。

わたし自身、今も犬3匹、ネコ1匹と一緒ぐらしでペットは大好き。ペット連れのお客様の気持ちならよく分かるので、いいサービスが提供できる自信があります。自分の得意なこと、好きなことをやって、売上げが伸びるので、とってもいい気分です。

この調子でいけば、スキーブーム全盛期の売上げに戻れるかもしれません。でも、そうなるには受け入れ体制を整えないと。ひさしぶりにスタッフをもう一人雇おうと思います。

■ お客の99%は県外から!

― タンポポインに来るお客様は、県内と県外からとではどちらが多いですか。

9割9分まで、山形県外からのお客様です。茨木、埼玉、東京、千葉、新潟のお客様が多いです。いつぞやは北海道や九州からお客様が来たこともありました。数ヶ月の長期滞在を希望するお客様もいらっしゃいます。

こんな僻地のペンションなのに、みなさん、ネットでわざわざ探して、来てくださるんです。やっぱり、ネットってすごいですよね。びっくりです。

ハンズバリュー、島田に聞く

■ 「ペット客への特化」を島田が提案した理由

― ここからは島田さんに「なぜタンポポインが成功できたのか」について、謎解きをしてもらいたいと思います。最初の質問です。タンポポインに「ペット宿泊客向け」というコンセプトを提案したのはなぜですか。言いかえると、なぜ「ペットは当たる」と考えたのですか。

私がタンポポインに、「ペット宿泊客向け」というコンセプトを提案した理由を、キーワードを使って説明すると、次のようになります。

「ペット市場は大きい。しかしペット愛好家は『宿泊弱者』」
(ペット好きは不満と鬱屈を抱えている。それを解消する提案をすれば集客できる」
   
「ペットOKを謳う旅館でも、実際の対応が劣悪なことは珍しくない」
(例:「犬の吠える声がうるさいからといって、夜中に退去を求める」など)
 
「一方、タンポポインの大和さんは本当の動物好き。サービスレベルはとても高い」
(ペット好きには、そこが重要なはず)
 
「ペット客なら、温泉がなくても景勝地がなくても、ペット向けサービスを充実させれば集客できる」
(顧客は、自分の犬がドッグランを元気に走るのを見て、米沢牛が食べられればそれで満足してくれる)

■ 日本のペットは2000万頭。巨大な潜在市場

― では、順番にお聞きします。キーワード1.「ペット市場は大きい。しかしペット愛好家は『宿泊弱者』」とは具体的には。

日本の飼い犬、飼い猫の登録数は約2200万頭。これは15最未満の子供の人口を上回ります。今や日本は「子供の数よりペットの数の方が多い国」なのです。

ペット人口の増加に伴い、「ペットを連れて旅行に出たい」というニーズも高まっています。グーグルで「ペット 宿」で検索すると数千件のホームページがヒットしますし、PPC広告の広告宣伝費を調べても、一件あたり入札額はすでに100円を超えています。確かにネット上にはニーズがあります。

また自分の周囲を見ても、山形市のペットショップはどこも繁盛していますし、新庄や天童など中堅都市であっても、ペットのトリミング屋がポツポツ開業しています。ペットに金をかけるお客さんが増えていることは、肌感覚で理解できます。

このようにペット旅行市場には、大きな可能性がありますが、しかし、実は多くの旅館では、「部屋が汚れる」、「他の宿泊客から苦情が出る」などの理由により、ペット客をあまり歓迎していません。ペット客は、一般旅館では肩身の狭い思いをしなければならない。つまり、「宿泊弱者」です。

膨大な人数の、しかも金払いが良い見込み客が、思うように宿泊できず、不満と鬱屈を抱えている…。

この切実なニーズに応えることができれば、必ず集客できる、勝てると思いました。

■ しかし、ペット受け入れ体制が整っている旅館は、実は少ない

― キーワード2.「ペットOKの旅館でも、実際の対応が劣悪なことは珍しくない」とは。

私だけでなく、すでに多くの旅館が、「ペット連れ宿泊客」という新市場に注目しています。「ペット連れ歓迎」を謳う旅館も最近は増えてきました。

しかし、表面ではペットOKと言いながら、実際は劣悪な対応をしている旅館も、残念ながら、少なからず存在します。

ある旅館では、『犬が深夜に吠えてうるさい。他の宿泊客の迷惑になるから』という理由で、ペット客を夜中に退去させたそうです。また、ペット客にはなるべく良い部屋をあてがわず、汚い部屋に入れるようにオペレーションしている旅館もあります。

このように「ペットOK」といいながら、その実、対応がなっていない宿は多くあります。このことには、ペットを飼っている人たちも、クチコミなどを通じて気づき始めています。

一方、タンポポインは全く違いました。ここは島田が「ペット大歓迎の旅館にしましょう」と提案するその前から、サービスレベルは、すでに最高だったのです。

■ タンポポインはサービスレベルが最初から最高だった

― タンポポインのペット受け入れ体制(サービスレベル)は、具体的に、どう良いのですか。

タンポポインのサービスレベルは、具体的に、次の点で優れています。

「敷地内に100坪を超える大型ドッグランがある」
犬を思う存分に走らせられるドッグランは、都会ではなかなか見つかりません。ところがタンポポインには、緑の木々に囲まれた、100坪を超える大型ドッグランがあります。これほどのドッグランを備えた旅館は、私の知る限り山形県内にはありません。飼い主は、自分の犬が元気に野外を走っているのを見るだけでうれしくなるもの。このドッグランは、犬好きにはたまらない、最高の観光資源です。

敷地面積100坪超のドッグラン。 左下に白く小さく見えるものは子犬

「宿泊客はみなペット連れなので、気兼ねがいらない」
通常の旅館では、一般客の方が多数派なので、ペット連れはどうしても肩身が狭くなります。でもタンポポインならその心配はありません。宿泊客はみんな自分と同じペット好き。気兼ねはいっさい要りません。もちろん食堂にもペット連れ込みOK。それ以外にも、最低限のエチケットを守っていれば、ペットを遊ばせることについての制限はいっさいありません。一般旅館で肩身の狭い思いをしていたペット客には、まさに夢のようなペンションといえるでしょう。

ペット同伴もOKの食堂

「周辺での散歩がさせやすい」
タンポポインの周辺は、人通りも少ない山中のペンション村なので、犬の散歩が、のびのびできます。「閑散としたペンション村」という、通常客にとってはマイナスの周辺環境も、ペット客にとっては、かえってプラスに働くわけです。

犬の散歩に最適の静かな環境

「部屋がキレイ」
最初、タンポポインの部屋を見て驚いたのは、部屋の掃除がいきとどいていることでした。毛も落ちていないし、動物臭もしない。言われなければ、そこがペットも泊まる部屋だと気づかないほどです。大和さんは、「ペットOKなんだから掃除で手を抜いていいといことにはならない」と語っています。こういう人は滅多にいません。

キレイな室内

「大型犬もOK」
大型犬は毛が抜けるので、旅館によっては敬遠されます。「ペットOK。でも大型犬はお断り」という旅館もあります。しかし、タンポポインではそうした制限はありません。

「大型犬と小型犬との部屋の割り振りが上手」
大型犬のお客と小型犬のお客が同じ日に宿泊した場合でも、大和さんが部屋を上手に割り振るので、お客どうしでトラブルになりません。

「大和さんの人柄の良さ」

大和さんは宿泊客には、「タンポポインでは、おうちでワンちゃんと過ごしているときと同じように、くつろいで過ごしてくださいね」と声をかけているそうです。ペット連れのお客様にとっては、涙が出るほど嬉しい言葉でしょう。

このように、タンポポインは、ペット客へのサービスレベルが、『もともと』最高でした。しかし、大和さんはそれをホームページでは積極的にアピールしておらず、私には何とももったいないことに思えました。

さっそく大和さんに、「ペット大歓迎」のメッセージを前面に出しましょうと提案しました。最初、大和さんは、「自慢するみたいでいやだ」と乗り気でありませんでしたが、しかし、どんな素晴らしいサービスでも、告知しないことには、集客増につながりません。大和さんを説得し、「ペット歓迎」を前面に出すことで合意しました。

次に取り組んだことは、この「ペット歓迎」というコンセプトの「具体化」です。

■ ペット客の顧客満足とは何か?

― 「施設のコンセプトの具体化」とは?

ペット連れの宿泊客の顧客満足って何だろうと考えました。

「ペットが楽しそうにドックランで遊んで、宿泊客がその様子を写真に撮れて、米沢牛をたらふく食べることができて、切れ端をペットに分けてあげたりできれば、きっと満足してもらえる」

これがタンポポインの強みが生きて、かつ顧客が求めていて、かつライバル宿泊施設がマネできないコンセプトだと思いました。

この方針なら、改装不要、設備投資不要、立地不利でもOK、派手な観光資源は無くてもOK。タンポポインの今ある良さを伝えるだけで、売上げ増が見込めます。

大和さんもこの考えに賛成してくれました。基本方針が決まったので、次はいよいよ具体的な行動に移りました。

■ 具体的な行動

― 具体的にどんな行動を取ったのですか。

大きくは次のようなアクションを実行しました。

【ホームページ関係】
「タンポポインの良さの文章化」
「写真の撮り直し」
「ホームページのファーストビュー強化」
「各部屋の具体的な紹介」
「お客様の声の紹介」
  
【ネットエージェント関係】
「楽天トラベルへの働きかけ」
「楽天トラベル向けの写真の最適化」
「担当者と仲よくする」
「予約システムの導入」
  
【その他】
「宿泊アンケートの実施」
「facebookとツイッターの活用を始めた」
「オプション商品の価格表のポップを作った」
「施設内の『安っぽさ』の撲滅」
  

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