■お客様に聞く - 割烹旅館「いづみ荘」代表取締役社長 石本 章様
石本 章さん(63歳)は、茨城県石岡市にある「いづみ荘」の料理長兼経営者。つなぐホームページで利用したサービスや、その結果について伺いました。
– いづみ荘のご紹介からお願いします。 いづみ荘は、昭和28年創業、霞ヶ浦のほとりに宿を構える割烹旅館です。特徴は、筑波山や霞ヶ浦の美しい姿を楽しめる眺望の良さと川魚料理。和風レストラン、宴会場2室、部屋8室を設えています。主に、元・寿司職人で料理長の私、女将である家内と板前見習いの長男の3人で旅館を回しています。
– つなぐホームページの、どういうサービスを利用されましたか。 宿泊プランの提案とホームページリニューアルです。ホームページは、文章作成と写真撮影の代行もお願いしました。 – 現在、売り上げなどは、いかがですか。 2017年4月にホームページをリニューアル後、売り上げは大幅に伸び、大きなイベントがある時には、かなり早い時期に予約で満室になります。 ネットでの集客力がついたおかげで、5月のゴールデンウィーク、8月のお盆、9月の石岡のお祭り、10月の花火大会など、休日やイベントがある期間は予約でほぼ満室状態。10月の花火大会は、8月には満室になりました。これだけ早く満室になったのは初めてです。 「宿泊予約サイトでお客様をもっと集めたい」と、かねがね考えていました。 でも、私は還暦を過ぎてます。ネットでお客様を集めるなんて、どうしたらいいのか見当がつかなかった。私の代わりに、島田さん(つなぐホームページ代表)が集めてくれました。
– つなぐホームページを利用するまでの経緯を、お聞かせください。 長年、「川魚料理でお客様を増やしたい。特に、若い方に来ていただきたい」と考えていました。 いづみ荘の最大のウリは川魚料理で、お客様の6割はビジネスマン、残り4割が観光客の皆様。料理の中でも、先代から受け継いだタレを使ったうなぎの蒲焼や鯉の旨煮は、好評でした。当館のレストランをご利用されたお客様が、「料理が美味しかったから」と、宴会やご法要に私どもの宴会場を使われることは珍しくありませんでした。 しかし、川魚料理は、ご年配の方には人気があっても、若い方には敬遠されがち。 中には「川魚料理はダメ。若いお客さんを呼べない」という人もいました。でも、大半の若い方は食わず嫌いなんです。お客様から「川魚料理を初めて食べたけど、美味しいもんだね」と声を掛けていただくことは、よくありました。川魚料理は日本で長年親しまれてきたものだし、うちの周囲に専門店はない。だから、私は「川魚料理をウリにして、若いお客様を集められる」と信じていました。ただ、その方法が分からなかった。 それから、先ほども触れましたように、ネットを上手く使ってお客様を呼び込みたいとも考えていました。 そんな時に起きたのが2011年の東日本大震災。
– つなぐホームページ(島田)の宿泊プラン案は、いかがでしたか。 川魚料理を目玉にした宿泊プランを考えていただきました。 特徴的なのは、基本的に、どのプランも鯉の旨煮がメインで、板前の手づくり料理を満喫できるようになっていること。それから、料理自慢の宿ならではの宿泊プランとして、2種類の「お食事満喫プラン」も用意されていました。2種類のうちの一つ目は、うちのもう一つの人気メニュー、上うな重を味わっていただく「絶品うなぎプラン」、二つ目は、お肉好きの方のために、地元石岡で人気の高いブランド豚”弓豚”を自家製タレで焼いた「焼肉プラン」でした。 うちの料理は評判が良かったから、美味しいものを出していれば、わざわざアピールしなくても、お客様は集まってくると考えていました。島田さんに提案されるまで、美味しい川魚料理を打ち出した宿泊プランなんて、思ってもみませんでした。 – 以前の宿泊プランは、どういったものでしたか。 1泊2食付きのプラン1種類だけでした。料金は、近隣の宿泊施設より安く設定していました。 – つなぐホームページのプランの料金設定は、以前のプランと比べて、どうでしたか。 以前の安い料金を基に設定していただいたので、リピーターの皆様から見ても「値上がり感なし」、これまで通りのお手頃な料金という印象でした。 中でも、お値打ち感が強いのが「絶品うなぎプラン」。 その一方で、祝前日や、設備の充実度の高い部屋など、予約日や選んだ部屋によっては、通常より高めの料金が設定されるようになっていました。
– 提案されたプランに変更してみて、いかがですか。 狙い通りと言いますか、まず、「絶品うなぎプラン」を選ばれるお客様が出てきてます。 それから、新たな集客につながりそうなのが「サイクリスト応援プラン」。 以前から、サイクリストのお客様には、時々お泊りいただいていたんです。島田さんに、お話ししたところ、「霞ケ浦周辺を走る、約180kmのサイクリングロードがあるから、サイクリストが集まってくる。サイクリスト向けのプランもつくりましょう」と言われました。このプランのウリは、自転車の「部屋への持ち込みOK」「屋根・鍵付き駐輪スペースあり」。なぜ、こんなことがウリになるかというと、島田さん曰く、「旅先で、サイクリストは、盗難・汚れの心配がない駐輪スペース探しに、苦労するものだから」。 ふたを開けてみたら、読みが当たりました。 偶然やって来た、ある雑誌の編集部の方は「部屋に自転車を持ち込める旅館なんて珍しい」と、写真付きで当館を雑誌で紹介してくださることになったんです。また、茨城県の観光課の方も、近々、視察にいらっしゃる予定です。県では、サイクリング目的の観光促進に力を入れているらしく、「サイクリスト応援プラン」を提供している当館を見てみたいようでした。これらがきっかけで、口コミでサイクリストのお客様が増えてくれることを期待しています。
– ホームページのリニューアルの方は、どうでしたか。 デザインはもちろん、文章から写真撮影など全て、お任せしました。
考えていただいた当館のキャッチコピーは、「『ビジネスとうなぎの宿』いづみ荘」(※下図の(1)、(3))。 他にも、「美味しい川魚料理のお手頃な旅館」だと伝わる工夫や表現が、あちこちにありました。
うちの料理を紹介したページでは、先代から伝えられた伝統の味や技、地元の旬の食材の使用など、当館の料理へのこだわりと共に、料理についての「お客様の声」も掲載されていました。「お客様の声」は、島田さんのご指示で、実際に料理を召し上がったお客様にアンケートへの協力をお願いして集めたものです。「子どもたちが『鯉の旨煮が美味しい』と、取り合いながら完食しました」など、リアルな「声」が、川魚料理の美味しさを裏付けてくれました。 – デザインや写真については、どうでしょう。 ホームページを開くと、「ビジネス宿泊」と「宴会」という文字が、パッと目に入ります。 それぞれの文字の背景には、「うな重」と「鯉の旨煮」の写真。ビジネス宿泊と宴会のお客様は、当館がもっとも取り込みたい方々です。このデザインで、もっとも集めたいお客様の目を引いて、当館の2大人気メニューをアピールできました。
また、穏やかな雰囲気の和室、脂の乗ったうなぎや、新鮮な白魚などの写真で、「くつろぎながら、美味しい料理を堪能できる宿」というイメージを出せました。
– 実際に、ホームページを新しいものに変更してみて、いかがですか。 素泊まりのビジネスマンのお客様が、うなぎ料理を注文されるようになりました。 それから、宿泊予約サイトの売上増を見て、宿泊プランのキャッチコピーが的確だったと感じました。 先ほどお話ししましたように、当館は「楽天トラベル」と「じゃらん」で集客しています。実は、「楽天トラベル」も「じゃらん」も、宿泊プランと、そのキャッチコピーは新しいホームページに合わせて変更したのですが、多忙で手が回らず、カスタマイズページのデザインは以前のままだし、昔撮った旅館や料理の画像もまだ残っているんです。それにも関わらず、どちらの宿泊予約サイトも、大幅に売り上げが伸びました。これは、当館の料理の充実ぶりを謳ったキャッチコピーが、お客様の目を引いたからではないか、キャッチコピーが宿泊プランをチェックする気にさせ、予約増につながったのだと考えています。
– 今日までを振り返り、つなぐホームページ(島田)への評価をお願いいたします。 島田さんは、Webコンサルタントとして、多くの旅館の集客サポートをしてこられた方。その豊かな経験に基づいて、宿泊プランの提案や、ホームページの制作、的確なアドバイスをしていただきました。おかげで、念願だった「川魚料理で若いお客様を集めること」「ネット集客でお客様を増やすこと」の両方が実現しました。素晴らしい方に出会えたと思っています。ありがとうございました。
– つなぐホームページ(島田)への今後の期待など、お聞かせください。 新しい宿泊プランで、もっと売り上げを上げたいと考えています。 – 本日はお忙しい中、ありがとうございました。 ※ 取材日時 2017年9月 |